子ども安全マップ
親子でつくって考える、子ども安全マップ作成・簡易マニュアル
どこにどんな危険が潜んでいるか、を地図に記したものが「子ども安全マップ」です。親子で楽しみながらマップを作成し、実際に歩いて安全を確認しましょう。危険箇所の状況は、明るいときは樹木の多い快適な場所でも、夜になると真っ暗になったり、夏場の木の葉がしげったときや積雪の時期など、昼と夜、季節によっても変わってきます。できれば条件の異なる子ども安全マップもつくってみましょう。
このマニュアルの構成
STEP1 地図の入手
(1)はじめに
- 子ども安全マップやまち歩きは、保護者が子どもに一方的に危険について教えるものではありません。
- 子どもが自らまちの危険を発見し安全について考え、実践する力を養うことに意義があります。
- したがって、全体を通じて子どもとよく話し合いながら進めることが重要です。
- まち歩きの効果を高めるために準備の過程も大切です。実際のまち歩きまでに十分な余裕をとりましょう。
(2)地図入手
- 危険箇所を地図上に記載するには、市販の地図より拡大された地図が必要です。
- 地図の無料プリントアウトサービスが各社から提供されていますので、これを利用しましょう。
- ここではグーグルのサービスを使った例を示します。
ご注意
各社の地図無料サービスは、ほとんどがプリントアウトした地図の個人的な利用を前提にしています。プリントアウトした地図をさらにコピーする、あるいは自分で手を加えた子ども安全マップであっても、コピーして配布する、自分のホームページで公開するなどの行為は、地図の著作権を侵害する恐れがあります。詳しくは地図の無料サービス提供各社にお問合せください。
グーグルマップからの地図の入手方法
- 「グーグルマップ」のwebサイトにアクセスします。http://maps.google.co.jp/
- グーグルマップの検索欄に自宅住所など、地図を表示させる中心となる地点を入力します。
- 自宅などを中心とした地図が表示されたら、左側のスケールバーを操作して、適当な縮尺になるよう調整します。
- 自宅、学校、遊び場など必要な場所がはいるよう、地図の中心を移動したり、縮尺を再度調整します。このとき、1枚におさめようとすると、あとで危険箇所の書き込みスペースがなくなります。地図を貼り合わせて使うことを前提に、大きめの縮尺にします。
- 必要な範囲をプリントアウトします。このとき隣り合った地図の周辺部は、少し重なるようにします。まち歩き用と清書用に2セット用意するのもいいですね。
- カラーでプリントすると、危険箇所などの書き込みが目立たなくなることがあります。そんなときはモノクロ設定にして、薄めにプリントアウトするとよいでしょう。
- プリントした地図を貼り合わせれば、子ども安全マップのベースが完成です。地図の特性上、隣り合った地図がピッタリ重ならないことがあります。
STEP2 まち歩きの準備
(1)まち歩きの範囲
- 地図を前に、実際にまち歩きを行う範囲やだいたいの道順を決めます。
- 子どもが疲れないよう1時間程度でまわれる500mから1㎞程度を1回の目安にするといいかも知れません。
- 警察のホームページなどで、まち歩きをする地域の犯罪情報がないか調べましょう。
(2)下見
- 子どもとまち歩きをする前に、地図を手に保護者が下見を行います。
- 危険な場所だけでなく、守ってくれる場所もあらかじめチェックして回ります。
- 見るポイントは、以下を参考にしてください。
- ○通学路やよく使う道をチェック
- 目印になる建物や周りの様子をチェックします。
- ○危険な場所をチェック
- 人通りの少ない所、街路灯の少ない道、人けのない駐車場・駐輪場、ビルの隙間、繁華街、川や池など水のそば、マンションや団地のエレベーターホール、放置自転車や路上駐車が多い道、ポイ捨てされたゴミや落書きが書かれたままなど、周りの関心の薄い場所。
- ○守ってくれる場所をチェック
- 学校・幼稚園、交番、病院、子ども110番の家、コンビニ、スーパー、商店街のお店、ガソリンスタンドなど。
- ○遊び場をチェック
- 子どもがよく使う公園などは見通しをチェック。
- ○その他
- 住宅・集合住宅、工場・倉庫、空地・空家、工事中の場所、大型施設、ゲームセンターなど
(3)まち歩きの準備
下見から戻ったら、実際のまち歩きでやるべきことを整理します。
当日の持ち物準備
- プリントアウトした地図
- クリップボード(マップやチェックリストを挟み、書き込みにも便います)
- カメラ
- 筆記用具
- メモ帳
- ICレコーダー(その場でメモが書きにくい場合などに使用)
- 携帯電話
- 救急用品
- 飲物・おやつ
- リュックサック
STEP3 まち歩き
(1)出発前の注意
- 子どもにわかるようマッブづくりの内容と意義をしっかり話します。
- まち歩きは、まちを観察しながらメモや写真をとります。そのため雨天を避け、交通事故にあわぬよう保護者の目が行き届き、安全に動けるよう服装なども注意します。
- 通行人や自転車の通行の妨げにならない配慮や、住民のプライバシーの尊重、迷惑にならない注意も忘れずに。
- 当日の順路と注意事項を伝えて出発します。子どもに撮影係など役割を与えるのも一法です。
(2)まち歩き
- 歩いた跡を地図にマーカーでしるしを付けていきます。
- 前もって調べておいた危険箇所、守ってくれる場所では写真やメモをとります。
- 写真を撮ったら意図どおりに撮れているか、必ずその場で確認します。
- 写真を撮った場所は地図に記入し、撮影したコマの番号や矢印で撮影した方向も書き込みます。
- メモは、どの地点のメモなのか分かるよう地図に記号を入れ、メモにもその記号を書いて、必要なことが記載されているか確認します。
- 問題のある場所では、保護者が「どうしたらいいと思う?」と質問を投げかけ、子どもに考えさせます。
- そのあと「○○するといいね」と、簡単に対策を話し、体験を共有することが重要です。
- 住宅地で住人を見かけたら、夜間の様子や不安に思うことを質問できるといいですね。
STEP4 安全マップづくり
(1)準備
まち歩きが終わったら、いよいよ子ども安全マップをつくります。
安全マッフは、ポイントを記入した地図をもとに、まち歩きで調べたメモや写真など集めた情報を整理してつくります。
用意するもの
- 清書用の地図(まち歩きに使用した地図でも構いません)
- 撮影した写真
- 付せん(できればピンク、青、黄の3色)
- 筆記用具
- マーカー(3色程度)
- のり
- セロハンテープ など
(2)安全マップづくり
2-1 基本情報の記入
- どこを歩いたかマーカーで色をつけ、歩いた道を振り返ります。
- 学校、公園、駅、お店など、重要なポイントにマー力ーで印をつけ、位置関係を確かめます。
2-2 付せんに情報を整理し、地図に貼る
- まち歩きでチェックした項目のうち重要なものを付せんに短く整理し、地図の上に貼り付ける。
- その際、悪いところはピンク、良いところは青、その他気づいたことは黄、というように色を分けると、見やすい地図ができます。
・ピンク → 悪いところを書く。 例:街路灯が少なく、夜は暗そう。
・青 → 良いところを害く。 例:ビルの前に守衛さんが立っている。
・黄 → その他、気づいたことを書く。 例:来年の1月まで工事中。 - 危険箇所や守ってくれる箇所をマーク化して貼ると分かりやすくなり、子どもも楽しんで手伝います。
2-3 撮った写真を整理し地図にはる
- まち歩きで撮ってきた写真の中から重要なものを地図の上に貼ります。
- 写真のそばに、何(どこ)を撮ったか、どんな場所か、写真を撮った理由、撮影した方向、道路からの距離や角度・位置などを書き込みます。
STEP5 安全マップで話し合い
(1)家族で話し合い
- 子ども安全マップは現状把握で終わりではありません。これからの活動に結びつける資料にしましょう。
- また安全に関する評価・視点は、保護者と子どもでは大きく異なることがあります。家族で検討する素材として利用しましょう。
- マッブ作りの過程で保護者と子どもの意見が分かれた場合、とりあえずすべての意見を付せんに整理して地図に貼り付け、検討の段階で意見を調整します。
- 地図上には重要なものとそうでない情報が混在しています。重要度に応じて3段階くらいに分けましょう。
- 子どもへの注意点を、「△△マンションの駐車場は避けて通学しよう」などと簡潔、具体的にまとめます。
- 子どもへの注意は当ホームページの(2)ご近所と話し合い
- できれば子ども安全マップをもとに、同じ活動をしている保護者との連携や、自治会の話題にもしたいものです。
- 自分たちでできること、支援を必要とするもの、行政や警察への要請を行うものなどに整理するといいでしょう。
家庭でできること 例)子どもの通学路に沿って、危険な場所を指摘し、日常的に子どもの通学時の教育に役立てる。買い物や通勤時に危険な場所に注意を払う。 地域で行うこと 例)町会活動に安全マッフの成果を反映するよう要請する。具体的には、地域住民に注意を喚起したり、公園の管理に町会などを通して参加する、など。 行政・警察などに
お願いすること例)公園のゴミや植栽の管理の改善を要請する。危険な場所の重点パトロールを要請する。 「子ども安全マップ」を子どもたちの安全を守る活動の喚起に役立ててください。
「子ども安全マップ作成・簡易マニュアル」は、子ども安全ホームページ事務局が作成したもので、事務局が著作権を保有しています。本マニュアルは情報の提供のみを目的としており、明示または黙示に関わらず、この文書について事務局はどのような保証をするものでもありません。